自力で住宅診断を行う際に必要な道具とチェックポイントとは?
家は、決して安い買い物ではありません。ただでさえ住宅ローンなどで頭が痛いのに、住宅診断にまでお金をかけるなんて…と、思い悩んでしまうかもしれません。もし、自力で診断できるなら、それで済ませたいと思う方も多いのではないでしょうか?この記事では、自力で住宅診断を行う際に必要な道具とチェックポイントについて、ご紹介します。
自力で住宅診断を行う際に必要な道具とチェックポイント
住宅診断は新築なら施工ミスがないか、中古なら限界にまで達した劣化が起きていないかなど、建物の状態を正確に把握するためにチェックすべきポイントがたくさんあります。ここでは、自力で住宅診断を行う際に必要な道具とチェックポイントについてまとめています。
必要な道具
まず自力で住宅診断を行う際の道具ですが、そこまで特別な物は必要ありません。計測するためのメジャー、高い位置を診断するための脚立、そして傾きを量るための水平器などです。なおかつ、住宅診断の知識と根気強さがあれば、自力による住宅診断もある程度は可能でしょう。
建物の外部
まず、屋根や基礎をはじめ、外壁、雨樋も確認が必要です。傾きはないか?ひび割れが起きていないか?適切な仕上げがされているか?などを見ていきます。
それが終わったら、次に床下の点検に入りましょう。給排水管が正常に設置されているか、断熱材が劣化して脱落などしていないか、などを見ていきます。また、屋根裏も忘れてはいけません。金具の取付状況や湿気、カビの具合なども実際に見て把握していきます。
建物の内部
まずは各部屋の床、天井、壁、そして扉の動作を1つずつ確認していきます。トイレや洗面所、キッチン、浴室などに関しては、水回りに異常がないかも合わせて確認します。
また、人命に関わるため、ガスや電気設備の点検も必須です。その他、階段や玄関、廊下など家中のありとあらゆる場所を見ていくので、それなりの時間と手間を覚悟した方がよいでしょう。
専門の業者との主な違いは?
自力でもある程度の住宅診断ができることは分かりましたが、専門業者による診断と比べると精度などはどうなのでしょうか?ここでは専門の業者との主な違いを比較します。
傷や汚れは分かるけれど…
傷が付いている、汚れているといったことまでは分かりますが、「それが何か問題なのか?」「どんな風に問題があるのか?」ということまでは判断がつかないケースが多いです。たとえば、壁にひびが入っているのを見つけたとします。ただ「ひびが入っている」といっても、構造上の問題がある場合とない場合があるのです。
構造的な問題は把握できるか?
結論からいうと、まず把握できないでしょう。人間の体でも「何となく調子が悪い」ということは分かっても、正確な状態や病気の有無は専門家である医師でなければ分かりません。同じように、自分で見るとちょっと気になる程度の部分も、専門の住宅診断士が見たら大きな問題が発覚する可能性もあるのです。
ただ不安になるだけの可能性も
もし、何か異常を見つけたとしても「本当におかしいのか?」「どんな風に問題なのか?」という細かい部分までは、自力で把握するのは難しいです。また、しっかりした知識がなければ、その家を扱う施工会社などに説明することもできないでしょう。結果として、ただ不安になるだけの可能性もあります。
自力で行うのと専門業者に依頼するのはどちらがおすすめ?
では、住宅診断は自力で行うのと専門業者に依頼するのと、どちらがおすすめなのでしょうか?その答えは、以下の通りです。
専門業者が断然おすすめ!
自力でも「ひびが入っている」「傷がある」など、ある程度の診断はできます。しかし、それがどんな風に問題になるのかは、専門業者にしか分かりません。また、専門知識がないと見てもピンとこない場面も多々あります。
住宅診断に必要な本当の道具は、知識と経験なのです。よって、自力での診断よりも専門業者を呼んで住宅診断することを、強くおすすめします。
正しい診断が被害拡大を防ぐ
早めに不具合を発見することで、災害時の被害拡大などを防げます。さらに、そこまで損傷がひどくない時期に修繕対応ができるため、後々の費用も抑えることが可能です。そして、専門業者に来てもらうことで安心・安全に暮らすこと、そして住まいというかけがえのない資産を守ることができます。
自力で住宅診断を行う際に必要な道具と、チェックポイントについてご紹介をしてきました。実際のところ、準備する道具自体はさほど特別ではないため、ある程度の診断は自力でもできます。
しかし専門知識が求められる場面も多く、やはり住宅診断に一番必要な道具は「知識と経験」であることが分かります。年に一度健康診断に行くように、住宅も積極的に住宅診断士に診てもらうことをおすすめします。