床下の住宅診断で家の劣化状態がわかる!?問題を早期発見できる検査の重要性
床下は普段は目の届かない場所であるため、変化に気がつかず、劣化が進行しやすい場所です。しかし、床下は建物全体の強度を支える重要な部分でもあります。そのため、床下にトラブルが生じれば、なるべく早く対処することが重要です。この記事では、そんな床下トラブルを発見するのに役立つ住宅診断についてご紹介します。
床下の住宅診断を依頼すべき理由
床下の構造は建物の強度を保つために重要な部分。床下の劣化は建物全体の耐久性や安全性に影響します。
そんな重要な床下の住宅診断を依頼すべき理由は3点あります。
(1)家の欠陥を把握するため、(2)リフォームの必要性を診断するため、(3)中古物件の売買でのトラブルを回避するためです。
(1)家の欠陥を把握するため
床下の構造が劣化していたり、破損していたりすると、その影響は家全体に及びます。
なぜなら、床下は建物全体の強度を支えている部分だからです。床下の住宅診断をおこなえば、床下構造に問題はないか、建物の耐久性が低下していないかなどを知れます。
(2)リフォームの必要性を診断するため
床下の住宅診断をすれば、住宅の劣化状況・リフォームすべき部分やその時期・おおよその費用などをアドバイスしてもらえます。
床下の劣化は、程度によってはリフォームする必要がないケースもありますが、素人が判断するのは難しいでしょう。住宅診断で専門の住宅診断士にチェックしてもらえれば安心できるのではないでしょうか。
(3)中古物件の売買でのトラブルを回避するため
床下の住宅調査をおこなわずに中古物件の売買をした場合、物件引き渡し後にトラブルが生じる可能性があります。
床下の構造材が破損していれば、大規模な工事が必要になることもあるでしょう。また、床下の劣化に気づかずに住み続けると劣化が進行してしまうこともあります。
床下の住宅診断を実施し、なるべく早い段階で劣化に対処しましょう。中古物件を売る人が瑕疵の起きた物件を売却しないためにも、買う人が欠陥住宅をつかまされないためにも、床下の住宅診断を徹底しておこなうことをおすすめします。
床下で起きやすい問題とは?
建物全体の耐久性を支える床下ですが、日ごろ目が届かず劣化に気付きづらかったり、湿気がたまりやすかったりするなどの理由から、トラブルが起きる可能性が高いです。ここからは床下で起きやすい問題をご紹介します。
シロアリによる被害
床下で起きる深刻な問題のひとつに、シロアリによる被害が挙げられます。シロアリは、木材はもちろん、段ボールやプラスチックなどなんでも食べる害虫です。
とくに暗くて湿度の高い場所を好む習性があるので、床下はシロアリにとって適した環境といえるでしょう。シロアリが食べた木材は中身がスカスカになるので、一見するとなにも変哲がないように見えることもありますが、たたくと軽い空洞音がします。
床下がシロアリによる食害を受けていると、建物を支えるための強度を保てなくなります。シロアリの被害がひどければ、いつ建物が倒壊してもおかしくないほど深刻な状況に陥ってしまいます。なるべく早く被害に気付き、駆除することが重要です。
配管からの漏水
配管が老朽化していたり、地震によって破損していたりすると、水漏れが起きます。床下での配管の水漏れは、床下空間の湿度を上げ、カビ・腐朽菌の発生にもつながります。
構造体の破損
施工時のミスや地震の影響で、床下が陥没したり、基礎がひび割れたりすることがあります。
ひびから雨水がコンクリート内部に侵入すると鉄筋の錆を引き起こすなど、注意が必要です。また、構造体が破損して住宅が傾いている場合には、住宅が倒壊してしまう可能性もあります。
床下の住宅診断を依頼する場合の注意点
床下調査の依頼をする際にはぜひ、進入調査を実施しましょう。一般的な住宅診断での床下点検は、点検口からの目視調査しかおこなわれません。
しかし、これだけではチェックできる範囲が限られてしまい、欠陥を見落とす可能性が高いのです。たとえば、木材の裏側は死角になりますし、点検口のない部屋の床下は調査できません。
とくにシロアリの食害は、実際に木材をたたいて音を確認したり、シロアリのわずかな形跡を探したりしなければ、特定できないこともあります。
このように点検口から目視調査するのみの住宅調査では調査として不十分なのです。床下の劣化状況を徹底して確認するには、直接構造物に触れて隅々まで確認してもらう必要があります。そのためにも床下調査はなるべく進入調査を依頼することをおすすめします。
まとめ
この記事では、床下トラブルや床下の住宅診断を依頼する場合の注意点についてご紹介しました。
床下の構造体は建物全体の強度を保つのに重要な役割を果たしています。そんな大事な床下の劣化を確認し、なるべく早い段階で劣化に対処するためには、住宅診断を実施することが重要です。
床下の住宅診断をおこなえば、シロアリ被害・配管の漏水などのトラブルを発見できます。劣化の程度を診断し、リフォームが必要かどうかのアドバイスも受けらえます。
ただし、床下の住宅診断をおこなうならば、進入調査を依頼しましょう。中古物件を売る人が瑕疵の起きた物件を売却しないためにも、買う人が欠陥住宅をつかまされないためにも、床下の住宅診断を徹底しておこなうことをおすすめします。