住宅診断の所要時間はどれくらい?時間短縮の依頼はやめておこう 

公開日:2022/02/15   最終更新日:2022/02/28

住宅診断を依頼するとき、所要時間はどのくらいのなのか気になるものです。診断時間は平均2.5時間といわれていますが、状況によっては3時間以上かかることもあるでしょう。しかし、長い診断は嫌だからといって時間短縮の依頼はやめておくべきです。こちらでは具体的な住宅診断の所要時間、短縮を控えたほうがいい理由をご紹介します。

住宅診断の一般的な利用の流れ 

まず住宅診断を行うタイミングは新築だと売買契約前や建築途中、建築前です。中古物件であれば売買契約前がベストでしょう。特に売買契約前は住宅診断の結果が悪ければ契約を断れます。次に住宅診断の一般的な流れをご紹介しましょう。

1.住宅診断会社へ見積もり、依頼内容、予約の問い合わせ

2.売主、建築会社、仲介業者との日程の調整

3.住宅診断の申し込み

4.書類の発送

5.集合場所や時間の確認

6.当日(住宅診断の実施)

7報告書を受け取る

8.支払い

基本的な調査費用は50,000円〜70,000円ほどです。報告書をオプションにしている業者も多く、5,000円〜15,000円程度かかります。

予約は土日祝日に集中しているため、希望する日時の予約が取れない場合も。また、12ヶ月後の予約になるかもしれませんので、平日の予約が望ましいでしょう。

住宅診断会社のなかには診断終了後のアフターサービスを実施している会社もあります。些細なことでも住宅の悩みがあれば相談できるので、アフターサービスを用意しているかどうかも業者選びのポイントです。

住宅診断の所要時間はどれくらい?

住宅診断を依頼する前に、どのくらいの所要時間が必要か把握するとスケジュールを立てやすくなります。ここでは一般的な住宅診断の所要時間をご紹介します。

戸建ての建物面積30坪で22.5時間

建物面積や依頼内容などにより、住宅診断の所要時間は大きく変わります。建物面積が30100平米の場合、平均的な診断時間は22.5時間程度です。多くの住宅診断をした複数の会社が平均時間を発表しています。

ただし現場によって実際の所要時間は異なるでしょう。誤差は3060分ほど出るのはよくある話です。診断の予約をするときは、ずれ込みの時間も考えておきましょう。

屋根裏や床下の診断をする場合は3時間以上

屋根裏や床下は目視で確認できる程度であれば、所要時間はかかりません。しかし、屋根裏と床下の奥まで侵入する場合、合わせて1時間程度かかります。より深いところまで調査を依頼する場合は、家全体で3時間以上の所要時間が必要ということを頭に入れて診断を検討しましょう。

住宅診断の所要時間に影響を与える事項

住宅診断を依頼する状況、建物の面積などにより、所要時間は大幅に影響されます。主な影響を与える事項をご紹介しましょう。

・建物の面積

・指摘事項の数と量

・室内外の家具や荷物の量

・住宅診断士への質問の数

・売主や工務店の対応

・住宅診断士のペース

建物の面積が30坪だと住宅診断に22.5時間程度かかると説明しましたが、60坪だと時間は倍の4時間になるのでは?と疑問に思うかもしれませんが必ずしも平均以上の時間がかかるとは限りません。60坪の建物でも3時間ほどで終わる場合があるため、見積もりのタイミングで所要時間の目安を聞いておくとよいでしょう。

なお、住宅診断は指摘箇所を見つけると写真撮影をしたり、状態のメモをとったりします。その分、依頼主への説明も増えるものです。特に中古住宅だと指摘事項は増えがちで、平均的な所要時間よりも30%以上かかるといわれています。

中古住宅の場合、売主が住んでいる状態で診断を行うため、家具や荷物がありスムーズな診断をしにくいものです。家具や荷物を避けながらの診断は、所要時間を大幅にズレてしまうケースも。

また、住宅診断士の人柄も所要時間を左右します。丁寧に診断、説明すると時間はかかってしまうものです。しかし、それだけ丁寧に調べてくれるのは依頼側からすると安心できるのではないでしょうか。

所要時間の短縮はおすすめできない 

住宅診断を早く終わらせたいと思い、住宅診断会社へ短縮をお願いする人もいるでしょう。しかし所要時間を短縮すると、満足できる住宅診断にならないかもしれません。可能であれば、所要時間の短縮依頼は行わないようにしましょう。短縮するデメリットをご紹介します。

十分な診断をしてもらえない

時間短縮を依頼すると、十分な住宅診断をしてもらえない可能性があります。詳細のない診断だと家全体の状態を把握できません。不十分な調査の箇所に問題が出ると、再び住宅診断を依頼する必要があります。時間も費用も余計にかかってしまうため、依頼者にとって好ましくないでしょう。

納得できる説明をしてもらえない

調査時間だけでなく瑕疵部分の説明を省く人がいます。しかし説明は大切な事項で、できることならすべての調査結果を把握したいものです。せっかく依頼したのに重要な説明や結果を省いてしまっては勿体ないでしょう。理解できずに、後になって何が問題だったのか悩んでしまうかもしれません。

 

住宅診断の所要時間は建物面積30坪であれば、22.5時間ほどです。床下や屋根裏など、深い場所まで診断する場合は3時間以上かかります。面積だけでなく、住宅診断士の性格や指摘事項の数の多さ、依頼主の質問の数などで、所要時間は大きく変わります。診断の時間が長いからといって短縮するのは勿体ないことです。十分な診断をしてもらう、詳細の説明や診断結果を聞くためにも、住宅診断の時間短縮依頼は控えましょう。

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