住宅診断で床下をチェック!床下から確認できることとは
数年前に改正された宅地建物取引業法により、建物の状況調査は一般的になっていますが、調査の際に床下のチェックはかなり重要です。建物の外側からだけでなく、床下側から基礎を診断することで分かることがあります。ここでは、床下の診断の重要性や、どのようなポイントを確認するのか、床下の診断を行うべき理由などについてご紹介します。
床下の住宅診断はなぜ必要なのか
建物の住宅診断を利用する人は増えつつありますが、初めて利用するという人も多いと思います。そのため、住宅診断でどのようなことをチェックするのか想像できない人もいるかもしれません。床下の診断の重要性について見ていきましょう。
シロアリ被害の有無
たとえしっかりと建物が作られていても、シロアリに柱や土台が食べられてしまい、木材が充分な強度を保てない状態になっていることがあります。床下がコンクリートであってもシロアリは関係なく侵入してきます。
漏水の有無
地震の揺れや配管自体の老朽化による配管からの漏水など、さまざまな理由により床下で水漏れが起きていることがあります。排水から気づくのは難しいため、確認のタイミングによっては漏水が進行していることもあります。漏水によってカビや菌が発生し、衛生面も悪くなり、害虫の発生などにつながることもあります。
構造材の腐朽の有無
地震などの影響によって、床下が腐朽していたり陥没していたり、基礎のひび割れや部材が割れていたりすることもあります。また、施工時のミスなどで同様の損傷が生じていることもあります。基礎部分で劣化や腐食が進んでしまうと、傾きが生じることもあります。
そのほか
部屋の断熱性能にかかわるものでは、床下の断熱材がきちんと施工されていないことや落下していることもあります。
床下の住宅診断で何を確認するの?
床下の診断ではどのようなポイントを確認するのでしょうか。いずれも家の耐久性を支える重要な部分なので、調査部分について把握しておきましょう。
基礎の状態
基礎部分に関しては、湿気などで構造材にカビやさびが生じていないか、コンクリート内部の鉄筋にさびがないか、コンクリートにひび割れがないか、構造材の連結部分にゆるみやはずれがないかなどを確認します。基礎部分に不具合が見つかった場合には、リフォームのために一時的に仮住まいを見つけなければいけないだけでなく、広範囲な工事が必要となるため費用もほかの部分と比べて高くなります。
換気口
一般的に、基礎部分に使われるコンクリートには湿気がたまらないように換気口が設置されており、換気口の大きさや間隔は建築基準法で定められています。床下診断の際には、換気口が正しく設置されているか、正常に換気ができているかなどをチェックします。
排水管
排水管が劣化していないか、正しく取り付けられているかを確認します。一見問題がないように見えても、充分な勾配が取れていないとつまりが生じることがあるため、水平器を使用して配管の勾配をチェックします。
断熱性
断熱材を床下に敷き詰めていても、断熱材同紙にすき間が生じていたり、壁や床からはがれて機能しなくなっていたりすることがあります。その場合、断熱効果が保てません。断熱材が正しく設置されているか、湿気などで腐食していないかを確認します。
防水性
換気機能に不具合があったり、外壁がひび割れていたりすることで、雨漏りや結露が生じていないか確認します。床下の木材については水分計を使用して含水率を計測し、床下環境に問題がないかチェックします。
住宅診断で必ずチェックしたい床下
住宅診断で床下の調査が欠かせない理由について見ていきましょう。
構造に問題がないか
床下の診断を行うことで、法のルールに基づいて施工されているか、構造に問題がないか、強度が低下していないかなどが分かります。
劣化が起きていないか
床下にたまった湿気によって構造材が腐食していたり結露が発生していたり、シロアリ被害が起きていたりすることがあります。長時間放置したままにしておくことで、建物全体の強度が低下することや内部まで腐食が進んでしまう恐れがあります。床下の診断により構造上の問題だけでなく、床下の見えない部分で起きている劣化についても把握できます。
リフォームの必要性
床下の劣化の中には、リフォームが必要な場合とそうでない場合があります。住宅の構造に詳しくない場合は、劣化には気づけてもすぐにリフォームすべきかどうかの判断は難しいです。住宅診断はプロが行うため、的確な判断をしてもらえます。
まとめ
住宅診断は、重大な欠陥を早期に発見できる検査です。とくに床下の診断に関しては、点検口から見える範囲だけを調査するタイプではなく、専門の住宅診断士が直視して調べるタイプの診断を選ぶことをおすすめします。そして、床下全体の状況を把握したうえで、劣化具合や耐久性、リフォームの必要性などを確認しておきましょう。