新築でも住宅診断は必要?チェックするべきポイントは?
中古物件の住宅診断は宅地建物取引業法の改正によって行われるようになりました。しかし住宅診断は家の欠陥や瑕疵を見つけるものであるため、新築住宅に行う理由はないようにも思えます。この記事では新築でも住宅診断が必要なのか、またチェックすべき点はどこなのかについて解説します。
新築住宅の住宅診断がおすすめな理由
住宅診断(ホームインスペクション)は中古物件の購入や売却において大きなメリットをもたらすようです。新築住宅は建設してから時間が経っていないため住宅診断が必要ないと考える方も多いのではないでしょうか?
しかし、新築住宅でも住宅診断を行ったほうがよいとされる面もあります。ここでは新築住宅の住宅診断がおすすめな理由についてお伝えします。
■不動産業者が行う検査は簡易的
新築住宅では建築が終わった後に第三者機関の調査や点検を行い、品質を保っているようです。しかしこの検査は簡易的なものが多く、住宅診断で行う調査とはほど遠いもの。
通常、住宅診断を行った場合には最短でも1~2時間程度はかかりますが、不動産会社が派遣した第三者機関による調査は10~20分です。
また細部の確認はせず、法基準や瑕疵保険の基準に沿っているかを見ているだけなので、検査の目的が違います。そのため屋根裏や配線、建物の基礎など重要な部分を細部まで点検できる住宅診断を行ったほうがよいのです。
■瑕疵保険ではカバーできない問題も多い
瑕疵保険は住宅に問題があった場合に保障してくれるものですが、ある損傷や欠損が見つかった場合に「この傷が保険対象かそうでないか」を保険会社と討論する羽目になります。
住宅診断を行っておけば、住宅に住む前に損傷や欠損が見つかるため、建設業者の問題として取り扱うことが可能です。瑕疵保険は入っておいて損はないですが、カバーできない問題も多いため住宅診断を行っておくと安心です。
■将来のことを考えられる
住宅診断を行う理由として「将来のことを考えられる」というのもメリットとなります。新築の物件では工事直後に大きな問題が見つかることは少ないですが、住宅診断を行うと将来点検をしたり、再度リフォームをしたりする際に問題が起こりそうな箇所を知ることができます。
たとえば「屋根裏の配線が入り組んでおり、奥が見えない」「床下に水漏れができそう」「点検窓がないと次の点検時に新設する必要がある」などです。こういった情報は第三者機関の調査ではわからないことであるため、住宅診断を行うメリットになるでしょう。
新築住宅の住宅診断の調査項目
■施工不具合はないか
まず新築住宅の住宅診断は、施工不具合がないかを確認するものという認識を持っておきましょう。確認するものとしては、壁や床の傾きはないか、建具や設備は整備されているか、基礎や外壁のひび割れはないかなどです。
図面の寸法と照らし合わせる調査や、仕様レベルの良否については新築住宅の住宅診断には含まれていないため注意が必要です。
■建物外部
建物外部の調査で主に以下を調査します。
・基礎
・外壁
・軒
・目視できる範囲の屋根
・ベランダ
・屋上
外部でよくチェックする項目は外壁のひび割れ、基礎の欠損、サッシ周りのシーリングの状態などです。また屋根は書いてある通り目視で確認できる範囲に限られます。屋上に階段で上がれる場合には屋上も住宅診断対象になります。
■建物内部
建物内部の調査項目は以下の通りです。
・床
・壁
・玄関
・浴室
・トイレ
・動作可能な設備
床や壁については傾きの調査を行います。床下や屋根裏には点検口があればその部分から侵入し構造材や金具の確認をします。追加の希望調査もありより内部を詳細に調査することが可能で、断熱材の量や建物の構造についてアドバイスを受けることも可能です。
新築住宅で住宅診断を行うタイミング
■売買契約前
売買契約前でも住宅診断を行うことが可能です。売買契約前に住宅診断を行うメリットは、購入するかどうかの判断材料にできること。売買契約を交わしてから住宅診断を行い欠陥が見つかっても、不動産の契約書上、契約を取りやめることができません。
なぜなら契約書には「修理が難しくても、修理をしないと住めないほどの欠陥がある場合のみにしか契約を取りやめることができない」といった意味の記述がされているからです。そのため売買契約前に住宅診断を行うことで、契約をするかしないかの判断材料にでき、購入後の問題を減らすことができます。
■内覧会時
次におすすめのタイミングが「内覧会」です。しかし内覧会の住宅診断は業者を入れるわけではなく、買主が不動産会社と一緒に新築物件を見て回るといったものを指します。しっかりとした住宅診断を行う場合にはやはり契約前に行うのが理想です。
今回は新築住宅の住宅診断の必要性について解説しました。新築住宅であっても予算に余裕があるなら住宅診断を行うべきでしょう。契約後に重大な欠陥が見つかってしまっては遅いからです。住宅診断を行う場合はきちんと第三者機関に依頼をし、虚偽の診断がないよう気を付けましょう。