中古住宅によく見られる建物の不具合とは?対処法も解説
新築よりお値打ち価格で手を出しやすかったり、土地から探さなくてもよかったりすることから、お得感が強い中古住宅。ところが「買ってしばらくしたら、こんなトラブルが…」といった、中古住宅ならではの不具合が発生しがちなのはご存知でしょうか?この記事では、中古住宅によく見られる建物の不具合と、対処法について解説していきます。
中古住宅によく見られる不具合
ここでは、中古住宅によく見られる不具合について、まとめています。中古住宅には、主にどんな不具合が見られるのでしょうか?
設備の故障
物件が古いということは、設備が老朽化している可能性があります。そして、暮らし始めて少し経ってから給湯器や水道蛇口のパッキン、温水便座、キッチンにあるディスポーザーなど、各設備が故障したというのはよく報告されるトラブルです。
耐震基準に難あり
2006年6月、木造住宅における耐震性への基準が改正されました。これは、1995年に発生した阪神淡路大震災の被害に対する、反省からくるものです。震災被害から耐震基準への見直しが入ったわけですが、つまり、2006年6月より前に建てられた木造住宅だと現在の耐震基準に満たない可能性があるのです。
雨漏り被害など
スレート屋根や、外壁と窓のサッシの隙間を埋めるコーキングの寿命は、約10年が目安といわれています。10年を超えると隙間ができるなど劣化が目立ち始め、雨漏りの原因となるのです。
雨漏りの被害を防ぐには定期的なメンテナンスが必要ですが、中古住宅なら「いつ最後にメンテナンスをしたのか?」を調べておかないと、思わぬ被害に見舞われるかもしれません。
シロアリ被害
シロアリ被害のリスクは、築5年から少しずつ増えていきます。とくに築25年を超えると、「5軒に1軒の家がシロアリに食われる」というデータもあるのです。
そして、木造だけでなく鉄筋コンクリートの家も、シロアリには狙われるのです。そのため、築年数の古い中古住宅を購入する際は、シロアリ被害がないかどうか?定期的点検などを行っているかどうか?などの確認が必要です。
中古住宅の不具合を見つけた際の対処法
せっかく購入した住まいなのに、いざ不具合が見つかってしまったらどうすればよいのでしょうか?中古住宅の不具合を見つけた際は、以下の対処法があります。
写真や映像で記録をとる
まずは「証拠を保存する」という意味で、写真や映像で記録をとっておきましょう。記録といってもそこまで大げさなものではなく、スマホまたはデジカメによる写真や動画撮影で充分でしょう。なるべく日付が入るよう設定して、「いつ撮影したものなのか」客観的に見て分かるようにしておくことが大切です。
契約内容を確認する
被害状況の記録をとったら、次に契約内容を確認していきます。売買契約が成立した後でも、売主には一定期間瑕疵に対する保障義務があるからです。これを「瑕疵担保責任」といいます。そして、この「瑕疵担保責任」の有効期間には上限があり、一般的に不動産会社なら最大2年とされています。しかし、売主が個人だった場合は、2~3か月で終わることが多いです。
期限が過ぎていたら?
住まいだけでなく家電製品など他の物でも共通していえることですが、瑕疵担保責任の期限が切れていたら当然売主に賠償責任を問うことができません。「気づいた時には期限ギリギリだった」ということもありますので、不具合を見つけたらすぐ契約内容の確認と、必要に応じて売主に連絡をしましょう。
中古住宅の不具合を防ぐ方法
対処法があるといっても、売主・買主お互いに嫌な思いをしないで済むためにも、不具合にはなるべく遭遇したくないですよね?中古住宅の不具合は、どうしたら防げるのでしょうか?
購入前に対処しよう
購入後にガッカリしないためにも、必ず購入前に対処しましょう。いくら気に入った物件だからといって、すぐに売買契約をしてしまうのは考えものです。まずは購入申し込みをし、売買契約を結ぶ前に物件の状態を調べることをおすすめします。
住宅診断を実施しよう
物件の状態を調べるといっても、住まいに関する専門知識のない人には困難です。よって、住宅診断を実施することをおすすめします。住宅診断とは、住宅診断士など専門知識を持つ業者に、第三者として隠れた住まいの不具合や欠陥を探し報告してもらうことです。住宅診断を実施することによって、住まいの現状が透明化されるため、お互いに正確な情報を理解したうえで契約できます。
中古住宅によく見られる建物の不具合と、対処法について解説してきました。購入後のトラブルは、期限や内容によっては売主に賠償責任を問うことで解決します。しかし、必ずしもすんなりいくとは限りませんし、売主が個人で知人だった場合などはお互いにしこりが残るでしょう。嫌な思いをしないよう予防線を張る意味でも、売買契約前に専門家による住宅診断を実施し、物件の状態を正確に把握することを強くおすすめします。