悪質な住宅診断業者に依頼することで起こりうるトラブルとは?

公開日:2022/03/01   最終更新日:2022/03/29

住宅診断とは素人には分からない住宅の抱える問題を、住宅診断士に診てもらうことです。住宅の欠陥、劣化状況、修繕が必要な箇所などを分析・判断し住人に伝えますが、使命はあくまで「住宅の診断」で修繕やリフォームを強要することはありません。この記事では、悪質な住宅診断業者に依頼することで起こり得るトラブルについて、ご紹介します。

悪質な住宅診断業者に依頼することで起こりうるトラブル

ここでは悪質な住宅診断業者に依頼することで、起こり得るトラブルについて、実例を交えてまとめています。

ワザと配管を壊される

中古住宅を購入した、あるご家族のエピソードです。リフォーム業者に工事の見積依頼を出したところ、「無料で住宅診断もできます」といって業者の男が床下を点検しました。そこで配管が外れていると指摘を受けたのですが、購入時には問題のない箇所だったため「おかしい」と思ったそうです。

そこで調べたところ、業者がワザと配管を壊したことが分かりました。結果として無償で直してもらえたそうですが、見えない場所だからという理由でワザと床下に悪さをされてしまうことはよくある話なのです。

本当は状態がよいのに…

ワザと配管を壊される以外に、事実と異なる診断結果を報告されるケースも多々あります。たとえば「漏水している」「シロアリ被害が出ている」などといった報告があり、実際に別の業者が修繕に入ったら漏水もシロアリ被害もなかったというのも、よくある話です。

実際のところ、住人が懇意にしている別の業者を呼び、修繕を依頼しようとしただけで「自分たちの勘違いでした」としらを切る業者もいるという意見も寄せられています。

住宅診断業者選びのポイント

では、悪徳ではないきちんとした住宅診断業者かどうか、どうやったら調べられるのでしょうか?ここでは住宅診断業者選びのポイントについてご紹介します。

口コミ情報をチェック

どの業者に住宅診断を依頼するかある程度の目星をつけたら、インターネットですぐ検索してみましょう、おかしな業者だったら、必ず悪い評判や口コミが出てきます。いくつか口コミ情報をチェックしてから、本当にその業者へ依頼するかどうかを判断することが大切です。

住宅販売会社に聞いてみる

住宅販売会社は、住宅診断業者について熟知しています。もちろん鵜呑みにするのはよくありませんが、一度「住宅診断を受けたいのだけど、どこかよい業者を知らないか?」と聞いてみてください。もし、紹介することで得になると思うようだったら、住宅販売会社の営業職の方も喜んで答えてくれるでしょう。

一度電話をかけてみる

検査内容や価格よりも、住宅診断業者にはもっと大切なことがあります。それは、コミュニケーション能力です。依頼主の疑問に分かりやすく回答してくれること、そして依頼主の代わりに住宅販売会社へ問題点を指摘してもらうことが、住宅診断業者の仕事だからです。

また、報告書も専門用語を多用するのではなく、一般の方にも分かりやすい内容でなければいけません。そのため気になる業者が見つかったら、一度電話で問い合わせてみましょう。分かりやすい説明をしてくれるかどうかで、相手のコミュニケーション能力を判断できます。

住宅診断の流れを確認しよう!

ここからは、住宅診断の流れを確認していきましょう。

問い合わせ

まずは診断してほしい物件・希望日・住所を伝えたうえで、電話またはメールで問い合わせをします。土日・祝日は依頼が集中しがちなので、平日に設定するか早めに連絡するのがおすすめです。

なお、この時注意すべきポイントが1つあります。それは、基本料金の範囲でどこまでできるのかを確認することです。というのも、多くの住宅診断業者は、検査報告書や床下・屋根裏の調査を別料金としているからです。

いざ診断!

当日は、よほど悪天候でない限りその日に診断を実施します。診断前に住宅診断士から説明があるので、気になることがあればその場で確認しましょう。診断後はタブレット端末などで撮影した写真を見ながら、報告を受けます。

また、たとえば「外壁における部材の取り付けが数ミリずれている」などプロでなければ分かりにくく、なおかつ依頼主からはいいにくいことは住宅診断士から不動産会社に伝えるといった、橋渡し役も任せられるのです。

診断報告書の受け取り

住宅診断を完了させた数日後に、結果をまとめた診断報告書が送られてきます。なお、調査内容は基本的にどの会社も同じですが、診断報告書のボリュームや内容は業者によって異なります。また、なかには診断報告書の発行自体が別料金という業者もあるので、事前に必ず確認しましょう。

 

悪質な住宅診断業者に依頼することで起こりうるトラブルと、住宅診断業者選びのポイント、そして住宅診断の流れについてご紹介してきました。

住宅診断の費用は大体10万円程度が相場だとされていますが、国家資格を持つ専門家がきちんと診断してくれること、そしていいにくいことを代わりに不動産会社へ伝えてくれるなど、嬉しいポイントがいくつもあります。ぜひ、よい業者を見極めて住宅診断をしてもらいましょう。

おすすめ関連記事

SEARCH

READ MORE

中古住宅の住宅診断の最適なタイミングはいつなのでしょうか?売買契約前がもっともおすすめといわれています。瑕疵担保責任があることに安心して引き渡し後に物件を見に行ったら、不具合が発覚ということ

続きを読む

数年前に改正された宅地建物取引業法により、建物の状況調査は一般的になっていますが、調査の際に床下のチェックはかなり重要です。建物の外側からだけでなく、床下側から基礎を診断することで分かること

続きを読む

狭小地に建てる3階建ての住宅は、生活しづらいイメージがあるかもしれません。しかし、同じ敷地の広さで2階建てと比べると低コストで充分な生活空間を確保できます。住宅診断の観点から見ると、3階建て

続きを読む

床下は普段は目の届かない場所であるため、変化に気がつかず、劣化が進行しやすい場所です。しかし、床下は建物全体の強度を支える重要な部分でもあります。そのため、床下にトラブルが生じれば、なるべく

続きを読む

近年、リフォーム時のトラブル件数は年々増加しています。そんなトラブルを回避するのに役立つのが、ホームインスペクションとも呼ばれる住宅診断です。住宅診断では、住宅診断士が第三者的な立場から、住

続きを読む

人生の中でも大きな買い物になるマイホーム。住宅診断を依頼すれば安心して暮らしていくことができますが、将来のことを考えると費用はかけたくないと躊躇してしまうかもしれません。「自分で検査できるな

続きを読む

新築住宅に付いてくる瑕疵保険ですが、基本的に期限は「最長10年間」と定められていることが多いようです。しかし、一生暮らすマイホームですから、10年経った後はどうすればよいのか不安になりますよ

続きを読む

中古住宅の購入を考えた時に住宅診断を依頼しようとしたら、「瑕疵担保責任があるから住宅診断をしなくても大丈夫」と不動産業者から断られることがあるようです。果たして、本当に瑕疵担保責任のある家は

続きを読む

中古住宅を購入の際には、事前に必ず住宅診断(ホームインスペクション)を受けているかどうかの説明を受けることになっています。とはいえ住宅診断という言葉の認知度はまだ低く「本当に必要なのか」と疑

続きを読む

日本でも広がりつつある住宅診断は、不動産の買主だけでなく売主にとってもメリットがあるサービスです。にもかかわらず、二の足を踏みたがるケースも見られるもの。とくに中古住宅の売買で、住宅診断を拒

続きを読む